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読書感想

【白銀の墟 玄の月】1・2巻/泰麒はもう頼りない子供じゃない

更新日:

やっと読みました!
十二国記の最新刊『白銀の墟 玄の月』1・2巻。
安全が担保された慶を出て、祖国に向かった泰麒と李斎のその後です。
『魔性の子』『黄昏の岸 暁の天』と予習もバッチリだったので
すんなり読み始めます。

1巻。のっけから涙腺崩壊。

物語は地方を旅する人の目線から始まります。
荒廃した里々、よそ者を寄せ付けない人々。
そこには貧しさや、よそ者に対する疑心暗鬼が充ち満ちて
冷淡にならなければ生き延びていけない様子が描かれていきます。

そんな中で泰麒と出会い、泰麒が戻ったことを確信できた人々からは
一様に感謝の言葉が。その彼らの言葉にグッときます…。
本当に、本当に、帰還を祈っていたんだな。
諦めたりしながらもどこかで希望を捨てきれずに待っていたんだな。
戴の人々の泰麒への思いがひしひしと伝わってきて、早くも涙腺崩壊です。

もっと動乱中かと思った戴国の現状

ちょっと意外に思ったのが、あんまり妖魔が出てこないこと。
陽子が王になる前の慶では、もっと頻繁に妖魔に襲われたりしていたけど、
戴では悲惨なほどの貧しさや土匪の酷い所業とかは描かれても
妖魔に襲われて…という悲しいお話は出てきませんね。

さらに『黄昏の岸 暁の天』で、李斎が戴を離れる直前の
花影と別れるシーンでは、追われている切迫感や誅伐が
リアルタイムで進んでいて、かなり荒廃したイメージを持っていましたが
本作ではそれらも一段落した感が。
貧しさは極まれど、襲われたり狩られたりすることはなくなった戴で
物語は進んでいくようです。

戯れ歌を口ずさむ謎の隠遁者たちは誰?

李斎と泰麒の旅の合間に小さなストーリーが入ります。
それは兵士が口ずさむと言う戯れ歌をキーワードに語られ、
どうやらどこかに匿われているらしき人物が登場。
怪我をしているらしいし…なんとも思わせぶり!
でもそう簡単に行方不明の王の消息を出してくるかな?
これは違う。王じゃない。と自分の中で結論。

もうひとつのストーリーはある家族が描かれます。
貧しさゆえに娘を失くしつつも捧げ物を川に流し続ける父子。
川に流した捧げ物を受け取る人のことは綴られないままで
こっちはもっと思わせぶり。
これは覚えておくべき伏線。

どちらも物語を読み進む上での希望にはなりますね。

相変わらず食えない琅燦。

後半では白圭宮も舞台に。
阿選の牛耳る朝廷の様子が明らかになって…。

ところで戴国の登場人物の中で、私が圧倒的に好きなのが琅燦でした。
歯に衣着せぬ正直な物言い、態度。さらに博識、すごく切れモノ。
そのくせ見た目は18才くらいの女子。
煮ても焼いても食えない女、琅燦。すごくいい!
その琅燦が今回も登場。
でも…これはどういう立ち位置なんだろう?何を考えてるのか?
どういう風に感情移入したら良いのか全くわからん。
相変わらず食えない琅燦、でも相変わらずでなんかうれしい。

「病む」原因は鳩?

王宮ではやはり「病む」人々が。
すでに廃人同然になってるものから、病み始めていく人たちまで。
その因果関係は明かされていないけれど、どうやら鳩の鳴き声が怪しい。

そういえば子供の頃、日曜の朝なんかに
どこからともなく鳩の鳴き声が聞こえてくることがあったっけ。
それが土鳩という生き物で、広場とかによくいる鳩と違って
地面に近い物陰とかにひっそりといるらしいと知ったのは
そこそこ大きくなってからでした。
鳥なのに、時には排水溝などにも入るなんて
なんだか不思議な生き物だなーと思ったことを
久しぶりに思い出しました。

生か死か?事実か策略か?
謎は後半へ持ち越し…

それにしても、泰麒の活躍ぶりには目を見張るものがあります。
考えが深いし、的を得てる。
その行動はひたすらに民と王の救済を目指したものだけど
日に日に大胆な策略家になっていく…。
その成長には、蓬莱でのあの日々が、あの経験が影響していると思うと
却ってどこか痛いように感じてしまいます。

ともあれ、王の所在はもちろん生死さえもいまだ謎のまま。
泰麒の大胆な策略の行く末も気になるし、
李斎たちの旅の進展も気になるし、
謎の隠遁者たちも気になるし、
食えない琅燦がどうなっていくのかも気になります。

1・2巻でわかったことは少ないけれど、確実にわかったことは
もう泰麒は幼い子供じゃない。
しっかり先を見据え、現状を把握して、今何をすべきか、どう動くべきかを
冷静な判断でさばいていく。
守られるだけじゃない、大人の泰麒の3・4巻でのさらなる活躍に期待!

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